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出産の記録 ~分娩室から誕生まで~ [妊娠&出産]

第3弾。   第1弾第2弾はこちら

お待たせしました。やっと思い出すことが出来ました

いよいよ赤ちゃんとご対面の時がやってきます。

 

Ж ・・Ж・・ Ж ・・Ж・・ Ж ・・Ж・・ Ж ・・Ж・・ Ж ・・Ж・・ Ж ・・Ж・・ Ж ・・Ж・・ Ж ・・Ж・・Ж

 

9月26日(火)

午後9時

陣痛の合間を待って、分娩室へ移動。
「自分で移動できる?」と言われた時は陣痛のピーク時。
絶対無理!と言いたいところ だけどしゃべるのもしんどくて首を振る私。
陣痛室のベッドは分娩台にもなるものだったので、
「ベッドのまま移動してよ。このベッドで産むよ。」と思うも口にはできず、
ピークを越えたので、無言のままさっさとベッドを降りて移動。

この痛さの中、意外と早く歩けます。
と言うより次の山がきたら倒れちゃうんじゃないか、
二度と立ち上がれないんじゃないかと思って、急いでました。

 

午後9時~

陣痛が来る度にいきみます。
波という波はなく、山を越えて深呼吸を2回もすればもう次の陣痛が始まります。
いきむ時は

予習③
【目をつむらず、おなかを覗き込むようにする】

と言う知識のもと、いきみました。

力を入れる方向が少し違ったみたいで、
助産師さんに注意され、いきみ中に修正修正。
「よーし、次は間違えずに上手にいきもー。」って合間に考える余裕もあったけど、
どれくらいいきんだかは不明。
4、5回のような気もするし、10回以上だったのかも。

 

助産師さんが、「旦那さんに入ってもらう?」と聞いてきました。
立会い出産希望 だったので。
miyukiさんは分娩室の外で、緑の医療用のエプロン(?)を着て待っていました。

 

私、 「まだいい。」 と言ってました。 ・・・なぜかって?

 

予習④
【赤ちゃんが降りてくると、痛みは腰からおしりの方へと下がってくる。】

 

まだガンガンにが痛かった私。
直感で、まだ降りてきてないから、まだまだかかるかなと思いました。
あんまり早くから立ち会ってもらって、何時間もかかると申し訳ないし(今更・・・)
赤ちゃんの頭が見えてきだしたら入ってきてもらおうと思ったのです。

あんなに立会いを希望していたのに、
陣痛の痛みに襲われて、肝が据わったのかもしれません。
いきみ出したら誰の助けも受けられない、
自分ひとりで苦しんで赤ちゃんを生み出すしかないんだ、と。

実際は汗を拭いたり励ましたり、色々してくれるんだろうけど、
陣痛室で頑張ってくれた分、今度は私が頑張って早く会わせてあげなきゃと思ってました。


 

午後9時30分  

 

「赤ちゃんが下がってきてないし、

    心拍も弱くなったりしてるから、

         帝王切開と平行で進めていこう。」

 

と先生に言われます。

 

「はい。」

 

と返事はするものの「テイオウセッカイ??」なワタシ。
私はまだまだ元気で、体力もあるからまだいきめるし、
赤ちゃんが元気じゃなくなるとは思えなかった。

全く手術のことは考えたこともなかったし、
この時点でも下から産むものだと思っていました。

 

午後9時40分 

帝王切開決定

あっという間の決定でした。
決定を言い渡されてもまだいきんでる私。

助産師さんもいっぱいお手伝いしてくれました。
まずは手を入れて骨盤を広げて(たぶん)くれる。
これはかなり痛くて「痛っ!何してるの?!」って
思わず言葉に出ちゃったけど、「お手伝いしてるんよ。」と言われ、耐える。

このとき初めて、痛さに対して

 

「もう無理!!」

「切って出してー!!」   って思いました。

 

一度は誰もが思うことかな??
きっと赤ちゃんが出てくる時は骨が広がってこれぐらい痛いのかな・・・
なんて頭の中はけっこう冷静だったんだけど、
この痛さから逃れるには赤ちゃんを産むしかないんだって思いました。

次は私のおなかをぎゅうぎゅう押す押す。
これも痛かったし、そんなので出るのかなって思ったけど、もうお任せするしかない。

最後は先生に吸引をお願いしてくれていたけど、
先生の意志は固かったようで、迷わず却下。
吸引も無理なくらい下がってきてなかったみたいです。

それでもまだ手術への不安とかはわいてこなくて人事な感じ。
手術の用意が整うまでに頑張っていきんで、
「あ!頭が見えてるね!!」みたいな状況になるんじゃないかといきむ気満々な私。

 

そのうち助産師さんも手術の準備に入っていき、私はひとりっきり。

あーついに手術なんだ。 

と、ここでやっと隣にある手術台を眺める。

 

助産師さんが、「旦那さんが立ち会って写真撮ったり
へその緒切ったり出来ないけど、私が写真撮っておくから。」
と言ってくれました。

私のバースプランを覚えてくれていたみたいです。
手術だし、しょうがないよね。

でもこの期に及んで質問してみました。

「カンガルーケアは出来ますか?」

「無理やね。」

あっさり却下。手術だし、しょうがないよね。(しつこい。)

通常出産が出来ないことも残念だけど、
それよりもバースプランへのこだわりが強かったみたいで、
そちらの方への未練がありました。

 

出産は手術に切り替わって、私の気持ちも切り替わったけど、切り替わらないものがひとつ。

それは・・・        陣痛

 

一度始まった陣痛は赤ちゃんが生まれるまで否応なしに襲ってきます
陣痛の痛さはいきむと和らぐのでそれからも休まずいきみ、
赤ちゃんに酸素も送らなきゃいけないから、
心拍が下がらないように合間に必死で深呼吸してました。

周りにはたくさんの人がいるのに、みんなは手術に向かって進んでて、
私ひとり取り残されたと言うか、ほっておかれたと言うか
無駄な努力してる気がして、この間が一番辛かったな。

 


緊急に手術に切り替わっただけあって、みんな準備にバタバタとしてて、
呼び出された先生とかがバタバタと病院に駆けつけていたようです。

中でも私が待って待って待ちわびた人!

 

麻酔の先生!

 

名前も顔も知らないけど「早く走ってこーい!!」って心の中で叫んでました。
手術になったから、この陣痛から逃れるには彼の麻酔しかないのです。

 

先生にサイン(手術の同意書カナ?)を求められた時も運悪く陣痛のピーク時
先生を無視する形でいきみ、山を越えたら、先生から書類とペンを奪い取る。
超キタナイ字でサインを済ませ、その書類は外で待っているmiyukiさんの元へ。
彼もサインしたそうです。

結局miyukiさんはエプロンを着けたものの、分娩室には入らずじまい。
こんなことなら初めから入ってもらってればよかった。
彼は分娩室に呼ばれるのを待ち、
帝王切開決定で手術への不安が駆け巡り、
エプロンを脱ぐのも忘れて外で待ってくれていました。
看護師さんに言われて、やっとエプロンを脱いだ彼。心配かけたね。

 

午後10時 

手術台へ移動
助産師さんに支えられながらも、自力で歩けました。
分娩台に移動する時と同様、ピーク時は無理なので、
超えるのを待って、さっさと移動。

そのせいで点滴が外れ片腕は血まみれ。
普通の状態でそんなことになったら(考えただけで恐ろしいので
そんなことには絶対ならないようにするけど)てんぱってしまうけど、さすが陣痛。
「あ、そう。」くらいにしか思わなかったから不思議。

台に横になってからも、何本か採血されたり点滴の針入れられたりしたけど、
どれも陣痛の痛さにはかなわなかった。

陣痛のピークがきたら助産師さんが腰を押してくれてたけど、
麻酔するために背中を消毒してからは、「腰押して。」ってお願いしても、
「ごめんねー。もう消毒したから押してあげられないの。」って言われて、
その何回かの陣痛に耐えたのが最大の山場でした。

 

麻酔の注射されたのも気づかないくらい陣痛に耐えてたら
足のつま先の方からしびれる感じがしてきて、
いつの間にか陣痛は消え去っていました。

産んだ瞬間に痛みは消えるって言うけど、こんな感じかな?
さっきまでの地獄絵図(?!)のような痛みのことなんかすっかり忘れるくらい
何の痛みもない!
今ある感覚は、つま先から感じ始めたしびれが
膝、太もも、おなか、胃の辺りまで順番に上がってきてることだけ。

手術も麻酔も点滴さえも初体験の私。
そのしびれが麻酔だと気づいたのは、麻酔の先生に声をかけられてからのことです。

 

午後10時8分

麻酔の先生が麻酔の効きを確認するために、
何か冷たいもので私のおなかの辺りをさわりながら、


麻酔医 : 「これは冷たいよね?」

りんご : 「はい。」

麻酔医 : 「じゃあここは?」

りんご : 「冷たい。」

この会話が十数回繰り返されます。

 

陣痛の痛みから逃れられた私に次は
「切られる!」 と言う恐怖がわいてきます。
そのため、しっかり麻酔に効いてもらわないといけないので
必要以上に「まだ効いてない!!」を主張してました。(麻酔の先生ごめん。)

でもそのうち本当に何も感じなくなります。
実際は何か触られてるような気がするけど、
何で触られてるのか、熱いのか冷たいのかがわからなくなります。

ようやく麻酔がかかり麻酔の先生が私の頭元にスタンバイします。
その頃から全身に寒さを感じだします。(と言っても麻酔が効いているので胸から上ですが。)
歯はガタガタ。体はブルブル。
「寒い寒い・・・」と訴えると周りの人がタオルを肩にかけてくれました。
それでもずっと寒かった。

 

午後10時13分

私の周りにたくさんの人が集まってきました。
あれ?もう手術始まってるの?お決まりのあのセリフは??
と思っていたら聞こえてきました。

「よろしくお願いします。」

ドラマのように先生がそう言うと、みんなが口々に後に続きます。

 

緊張!!

ついに切られるよーー!体に力を入れて身構えてみる。(何の意味もないけど。)
でも何の痛みも触られてる感じもなく手術は始まりました。あたりまえか・・・。

横の壁に掛かっている時計は午後10時15分少し前でした。
日をまたぐのかと思っていましたが、今日中に赤ちゃんに会えます。

 

 

しばらくすると、頭元に居てくれている麻酔の先生が教えてくれました。

「もうすぐ赤ちゃん出てくるよ。
おなかが少し押される感じがするけど大丈夫だからね。」

 

うわーいよいよだ。でも、押される感じ?痛くないかな?と思っていたら、

その瞬間はやってきました。

 

押されるというより、引き剥がされる感じ。

凹凸でぴったりとくっついているものをはがしていかれる感じでした。

実際はへその緒でしか繋がってないけど、

赤ちゃんの体全体が、私のおなかと凹凸でぴったりとくっついていて、

それをゆっくり剥がしていく感じがしました。

もちろん痛いことはなく、不思議な感覚でした。

「あー赤ちゃんが剥がされていく。私の体から出てくるんだ!」

 

 

午後10時23分

「ふんぎゃー、ふんぎゃー、ふんぎゃー」

赤ちゃん誕生。

 

手術だし、赤ちゃん出てきたところ見えないし、どうかなーって思ってたけど、
剥がされた感覚があって、その後すぐに泣き出した赤ちゃんの声を聞いて感涙

とっても元気な声でした。

 

 

ただ、驚いたのは赤ちゃんの大きさ。
取り出すときに先生が「大きいわ。」と仰った通り、3700gのビッグベイビー
助産師さんが体重を量って「3700gです。」と言うのに対して
「え?!」と聞き直してたドクター。(笑)
検診では、「3000gを超えたくらい。」との測定だったので、
多少の誤差があっても、こんなに大きいとは。

私は2700gで生まれ、miyukiさんは3800gで生まれているので、
パパ越えはしなかったものの、大きくなる予感です。

私自身、体重も+7kgで押さえたし、
2000g代のかわいい、ちっちゃい赤ちゃんを想像していたので
「あれ?この子私の子?」
「ほんとに私のおなかの中に入ってた?」なんて思ったりもしました(笑)

 

まあ、何はともあれ、母子ともに無事にお産が終えられてよかった。

 

帝王切開と言う、まったく頭になかったお産を終えて、
『一粒で二度おいしい』 体験をしました。
陣痛やいきみを経験できたし、その一方で赤ちゃんの誕生の瞬間を、
痛みも無く冷静に感じることが出来る。
希望してできるお産の方法ではないですからね。
いい経験をさせてもらいました。

ただ、術後大変だったことや、傷が残ることを考えると、
通常のお産が一番なのだと思います。
次の機会には通常分娩で、
赤ちゃんが出てくる瞬間の感動を味わってみたいと思っています。

 

長々と読んでくださってありがとうございました。
続編として、産後の入院生活も近々UP予定です。

どうぞお楽しみに (* ^ー゚)

 

 


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tanakake

第1弾、2弾、3弾とじっくり読みました。
「お産」ってひとそれぞれで、大変と感じる度合いもひとそれぞれ。
ちゃんと記録に残してすばらしい☆
わたしも出産した日、興奮冷めやらず&痛さで一睡もできなかった夜に親友に送った「出産報告メール」を保存しています。そのときの気持や陣痛から出産にかけての様子が詳細に書かれていて。
いまとなってはいい思い出になって、かわいいわが子がそばにいて、幸せですよね~☆☆☆
by tanakake (2006-12-17 20:54) 

ta-ka-ya-0914

はじめまして。
読み応えのある、長編大作ブログですね。
うちの妊婦さんは、知りたかった事が分かった反面、
お産の恐怖にキャーキャー言ってます。
大人になるとイベントってあまりないのですが、
やっぱりお産は大イベントだなぁ、と二人で再認識しました。
続編、楽しみにしています。
by ta-ka-ya-0914 (2006-12-18 01:56) 

椎茸

はじめまして。
今妊娠10ヶ月に入ったところです。
ブログを読ませていただいて…で、で、出来るだろうか・・・と不安になりつつもその瞬間を待ち望んでいたりもして。
世紀の大出産って感じですね。
なによりも元気に生まれてきた赤ちゃん、最高の瞬間なんだろうなー。と。
続編、私も楽しみにしてます。
by 椎茸 (2006-12-19 14:25) 

かや

りんごさんの出産体験、本当にお産の色々が詰まっていますね。
激しい陣痛の中、これだけのことを覚えているなんて。。。
このブログを将来manoちゃんが読んだら、とても喜ぶでしょうね♪
「子は宝」って言いますが、出産という体験そのものが、宝ですよね~
by かや (2006-12-19 14:54) 

don2525

ふはぁ~☆
すごいです!!!『一粒で二度おいしい』だなんて。。。
大変でしたねっ><
いやぁ!本とにお産って人それぞれなのですね!
感動的です!!!!!
でも、こんなに事細かく覚えているなんてそれもすごいですっ!!
manoちゃんや旦那様への愛が伝わってきますよっ♪
by don2525 (2006-12-20 15:01) 

りんご

>tanakakeさん
じっくりと読破、ありがとうございました。
tanakakeさんの保存されたメール、読んでみたいです。
ほんと人それぞれだから、感動するメールなんだろうな・・・。


>takaya914さん
こんにちは。コメントありがとうございます。
ご夫婦で読んでくださったんですね。何か参考になることがあればうれしいです。恐怖をつのらせてごめんなさい。
一大イベント、楽しみですね。

>椎茸さん
こんにちは。コメントありがとうございます。
もうすぐご出産の方には、はらはらドキドキの内容だったでしょうか?
大丈夫!出来ますよ!10ヶ月の妊娠生活と、赤ちゃんに会う楽しみが、椎茸さんのパワーになるはず!無事に最高の瞬間を迎えられますように。
続編、がんばります。

>かやさん
ちらほら記憶の飛んでいるところもあります・・・。
でも、がんばって思い出しました。私の宝です。
manoが読んだら、どんな反応してくれるんでしょうね~。
産んでくれてありがとうなんて言われたら、また感涙だわ(涙涙)

>DONchanさん
自分でも、どうやってあの痛さを乗り切ったのか、断片的にしか覚えてないです。今となっては言えることかもしれませんね。
手術に切り替わってからは、分単位で覚えていられるほど痛みがなかったんですよ。
by りんご (2006-12-20 18:55) 

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